やっぱり彼にはかないそうにない。 「桐谷くん!好きです!」 「声がうるさくて迷惑なんだけど」 「あたしと付き合ってください!」 「ねぇ、俺の話聞いてる?」 ペカペカとした表情で、桐谷くんを見上げていた。 彼の手にはふたつのバッグがある。 桐谷くんの分と、あたしの分。 今の桐谷くんとあたしの距離みたいに、カバンも隣り合わせにあることに、ちょっと嬉しくなった。