【完】クールな君に胸キュン中!






〝やべぇ、ひとつも当てはまらねぇ。〟



今あたしはそんな顔をしていたと思う。鼻がひくついてしまっているのが自分でもわかった。



ガビーン状態まっただ中だ。





「と、とりあえず料理できる系女子にならなければ……」



ボソボソと今後の目標をつぶやいていると、



「ぶっ」



隣では桐谷くんが吹き出すように笑ってる。




「どうしたの?」



不思議に思い首を傾げると、桐谷くんは目を細めてあたしを見た。




「あんたってさ、すごく素直だよね」



「……え?」



「そこは唯一、俺のタイプかな」



「!」




……あぁ。



やっぱりあたしの心はこうやって、桐谷くんの言動ひとつで振り回される。