【完】クールな君に胸キュン中!





桐谷くんが、あたしの顔を覗き込んできて、ふっと笑みをこぼした。



でもそれは、決してバカにしてるワケじゃなくて、おだやかで、優しくて。



そんな表情ひとつで、胸がいっぱいになって苦しくなる。


答えなんて、ひとつしかない。


ずっと前から、一方通行に伝え続けていた言葉は、今も昔も変わらずに、ずっとあたしの中にあったのだから。




いつまでも答えを言えずにいるあたしに、桐谷くんは仕方ないな、とでも言うように、頭をそっと撫でてから、つぶやいた。




「俺と付き合って、奈乃」




涙がポロポロと溢れてるあたしは、言葉が出せず、頷くことしかできなかった。



後頭部に当たってる手が、まるで赤ちゃんをあやすように、優しくあたしの髪を梳く。


そして、桐谷くんはそのまま自分の胸に引き寄せるように、あたしを抱きしめた。