「前に、俺が過去の話をして傷ついたら、なんでも言うこと聞くって言ったの、覚えてる?」
「えっ? ……ああ、覚えてます」
急な話の変わりように驚いたけど、あたしは頷いた。
確かにあたしは桐谷くんに言った。あのとき必死に、土下座でもなんでもするからって。
「俺、今、傷ついてるんだよね」
「えっ……!」
も、もしかして、徹くんの日記帳なんて持ってきたりして……桐谷くんの傷に塩を塗ってしまった!?
あたしは今にも土下座する勢いで、心の準備をする。
「あんたがあの日、俺よりも松岡を選んだから」
「……へっ?」
ま、松岡くん?


