「ただ」 えっ? た、ただ? 「俺に言わなかったことに、腹を立ててる」 ほっとしたのも束の間。 やはり彼は、どこか不機嫌な様子。 怒ってる……と言うよりは、拗ねてるような……? まさか。 桐谷くんが拗ねるなんて、そんなことあるはずがない。 「今日、どうして遅刻したの?今まであんたは何をしてたんだよ?」 答えるまで逃がさないとでも言うように、しっかりとあたしの肩を掴んで、真っ直ぐに見つめて問い詰める桐谷くん。 あたしはその瞳にドキドキしながらも、素直に答えた。