……あ。
そこで、さっき桐谷くんから預けられた青いピアスと日記帳が、右手にあることを思い出す。
「桐谷くん、これ」
「……ああ」
大事な二つの預かり物を手渡すと、桐谷くんはやんわりと受け取った。
そして、それで終わるのかと思ってたら、受け取った手とは逆の空いてる方の手で、そっとあたしの頬に触れた。
「!!」
急な出来事に胸がドキッとする。
頬に添える手。指先が、あたしのまぶたを優しく撫でる。
「ここ、熱い」
もう涙はひっこんでるけど、その跡を愛おしそうになぞった桐谷くんのキレイな指。
「いっぱい、泣いたから……」
恥ずかしくなりながらも、へへっと笑う。


