直後。
「ちょっと来て」
「えっ!?」
ガシリと左腕を掴まれ、そのまま引き連れ去られる。
驚いたなんてもんじゃなかった。
だって、こんな人の多い場所で、しかも、みんなの視線が集まってる中、桐谷くんがあたしの手を引いて歩き出したから。
周りからの、キャーッ!!っていう女子の叫び声に耳も傾けず、桐谷くんは体育館の出口に向かって一直線に歩く。
「この人、借りるね」
「どうぞ。とことん質問攻めしてやって」
近くにいた舞ちゃんに、なぜか許可を得た桐谷くんは、そのままあたしの手を離すことなく体育館をあとにした。


