「くっそ!まだだ!まだ諦めるな!」
イッチーが叫ぶ。
きっと、ケガして試合に出れないこと。クラスに貢献できないことを悔しんでるに違いない。
もどかしいはずだよね。
「頑張れっ!!」
珍しく、あの舞ちゃんが大きな声を張り上げた。
コートの中にいるみんなは、頑張っている。
あたしは祈るように手を組んだ。
……お願い、勝って!!
そんな願いが届くかのように、松岡くんの持っていたボールを桐谷くんが奪い取った。
そして、すぐにチームの仲間にパスをして、そのまま桐谷くんはあるところに向かって駆け出す。
向かう先は、ゴール。
「残り、10秒!」
……お願い……お願い!
「桐谷っ!!」
ゴールに向かっていたはずの桐谷くんは、特定の距離のところで立ち止まり、仲間の声に振り返った。
そのままその人からパスを受け取ると、ゴールと向き合い、シュートをする体勢をとる。


