閉じていた目を、開けた。 「これ、持っててくれると助かる」 俺は折原奈乃に、大事な親友からのラピスラズリを手渡した。 ……見ててほしい、そこで。 徹と、あんたに。 「見てるから……っ!ずっと、桐谷くんのこと……!」 彼女の言葉に、胸が熱くなって、愛おしいという気持ちが込み上げる。 なぁ……今からでも遅くないか?徹。 ふたりの夢を叶えるのは……。 俺は最後に心の中で親友に問うと、市原と交代してコートの中に入った。