咄嗟に受け身をとったおかげで、折原奈乃を受け止めることができた。
だが、虚を突かれた俺は、言われた言葉の意味がわからず、戸惑う。
ただ、俺の両腕を握る彼女の小さな手のひらにある〝何か〟が、俺の腕に当たってて、違和感として伝わってきた。
ハチマキもろくに結べてないまま、髪もボサボサに乱れてて、息だってきれている。
だけど折原奈乃は、真剣な顔で言った。
「これ!桐谷くんの親友が残したものだよ!」
……え?
折原奈乃は、手の中にあった一冊の小さな日記帳を俺の手のひらに乗せる。
……今、俺の親友って言った?
すると、いつの間にか俺の隣に来ていた松岡が、ポンッと肩に手を乗せつぶやいた。
「奈乃ちゃん、こないだから桐谷の為に、徹の家に行ってたんだよ。
俺は徹の家を教えてあげたんだ」


