なんで知ってるんだ?
そんな疑問が顔にでてたんだろう。中野は答えた。
「奈乃から聞いた。ねぇ、桐谷くんお願い。市原くんは今こんな状態で出れないし、空いてるのは桐谷くんだけ。だから、代わりに出てほしい」
突然、なにを言い出すんだ。
俺は首を振る。
「無理だって。俺、もう何年もしてないのに」
「それでも、初心者よりは実績あるじゃない。
ていうか結果なんてどうでもいいの。桐谷くんがやるかどうか……それだけ」
……ああ、もう。
どうしてこんなことになった?
こんなことになると予想できたら、俺は迷いなく保健室に行っていたのに。
「お、桐谷出るの?都合いいじゃん、早くしろよ」
少し離れたところから、同じ中学のヤツが嫌みっぽくそう言ってくる。
このまま出れば、あいつの思うツボだ。


