「……そんなこと、思ったことねぇよ」
校舎の中、体育館へ続く道。
外を見れば、雲行きがあやしかった。もうすぐ雨が降るのかもしれない。
そんなことにさえ、イライラする。
「うざいんだよお前!
勝手に俺のこと庇って……あんな、土下座なんかして……バッカじゃねぇの!?」
……何言ってんだ、俺。
違う。嘘だ。
そんなことが、言いたいんじゃない。
「俺が試合に出れなくなったのは、お前のせいだ……!!」
そんなこと、思ってない。
徹は、俺がまた楽しんでバスケができるように、先輩に頼んでくれてただけなんだよ。
……自分を犠牲にして。
なのに。
「お前なんか、いなければよかった」
初めて、思ってもないことを口にした。
親友に対して、大嘘をついた。


