「桐谷くん、好きな人いるんですか!?」
半ば半泣き状態のまま、ガバッと横にいた桐谷くんの腕にしがみつく。
嘘だ嘘だ……!!そんなの許さない!
「嘘です」
「へっ……?」
「犯罪っ子に復讐をと思いまして、嘘つきました」
「……そ、そんな……!!
エイプリルフールは1か月前です……!」
「うん。だから階段から落ちたとき、内心マジかよって思った」
「マジで信じたんですがっ」
「うん、ごめん」
あたしが頭打ったところを、頭をポンポンってしてくれる桐谷くんの手が優しくて、ついつい頬が緩んでしまう。
「……許します」
やっぱり好きは、募るばかり。


