ほどなくして、桐谷くんがうつむきながらつぶやいた。
「わかれよ。自分が情けなくて、あんたに合わす顔がないってこと。
どうしてそう、鈍感なの」
「……?」
「体育館で、あんたの前で倒れて。そんで保健室まで運ばれるって、なにそれ。
情けなさすぎるだろ……」
言われて始めて気づく。
桐谷くんがそんなことを思ってたなんて。
あたしは確かに鈍感だから、そういったことには疎くて全然気づかなかった。
それに、と、桐谷くんは続ける。
「聞いただろ?あいつらの言葉」
すぐに勘がはたらいた。
〝あいつら〟とは、さっきと男子生徒のことだろう。
「前にも言ったけど、俺はあんたが思ってるようなヤツじゃない。
最低なヤツなんだよ……!」
布団の端をギュッと握りしめて、強く言い切る桐谷くんの肩は震えていた。


