頭の中が真っ白になり、体が硬直してしまう。
……あれ?
今のって……。
「拒否んないの?」
「…………」
桐谷くんが、あたしに問いかける。
あたしは目を逸らすことも、言葉を返すこともできない。
……ただ、イヤではない。
「奈乃」
「!」
「……俺、あんたが思ってるよりいい人じゃないよ」
名前を呼ばれて舞い上がったのも束の間。
……まただ。
また、桐谷くんがいつものあのさみし気な顔をしている。
……何が君を変えてしまったの?
こんなに近くにいるのに、なぜか壁があるみたい。
近づきたいのに、近づけない。


