「閉じ込められたときは泣かなかったクセに、どうして今泣くの?」
「えっ……?」
「ズルいよね。せっかく人が突き放そうとしてるのに、そんな理由で泣くなんて」
あたしの頬に触れてる指先は、やがて、ふにっと頬をつまむ。
……ん?
そのままビヨーンと、伸ばされた。
「!? んっ、んむむ!?」
ちょ、何ごと!?
きっとひどい顔になってるに違いない。
だって、涙に鼻水、そして口を伸ばされたらよだれまで垂れてきそうだ!
顔から出るもん全部出して、それって女としてどうなの!?
「ひ、ひりひゃにくんっ」
横に伸びきった口を必死に動かしてみると、桐谷くんはフッと口元を緩めた。
「……ぶっさいく」
「らにするんれすか……」
「ちょ、喋んないで、笑える……っ」
ひ、ヒドイ!!
自分でしてることなのに、なんで必死に笑こらえてるんですか!!?


