「人が傷ついたり、困ってるの見て楽しい?
自分達がやってること、くだらないと思わないんですか?」
「!!」
「いいですよ。いくらでもあたしに手、出して。
そんなもんに負けませんからっ!」
強く言いつけると、阿部さん達はいたたまれなくなったのか、そそくさと走って行ってしまった。
思いがけず訪れたふたりきりの時間に、胸が高鳴る。
「…………」
「…………」
桐谷くんの方を見ると、パチリと目が合ってしまった。
だけどすぐに目を逸らされ、桐谷くんは何事もなかったかのようにあたしの手にポーチを返すと、そのまま素通りして行ってしまう。
「……待って!」
あたしは急いで呼び止めた。


