あたしの部屋は、階段をのぼってすぐのところにある。
部屋に戻るために、旅館の階段をのぼってると聞こえてきた女の子の声。
「ラッキーだったね。部屋のドアあきっぱで」
「ホント無防備。物取られても知らないよって感じ。
みんな、他の子の部屋に行ってるんでしょうね」
……ん?
なんとなく聞き覚えのある声。
あたしはそろりと、階段のところの壁から顔を出す。
あ、阿部さんだ……。
てか、あたしの部屋のドアから出てきたよね?
なんで!?
部屋割りはクラスごとに、旅館の階で決まっている。
真ん中の階段をのぼって、右側に続く通路にある部屋は男子で、左側は女子。
あたしは3階の左側の部屋だ。
つまり、別のクラスの阿部さんの部屋は別の階のはず。


