ひとりきりの空間の中、ぼんやりと桐谷くんのことを思い出す。
……あたしにイジワルな桐谷くん。
……たまに笑ってくれる桐谷くん。
……クールなクセに、本当はとても優しい桐谷くん……。
好きなのに。
好き……好き……好きだよ、諦めたくない。
会いたいよ。話したいよ。
また、あたしに笑いかけてほしい。
「……あたし、何かしたかなぁ……?」
ポツリとそんな、独り言をつぶやいた。
弱音を吐くなんてあたしらしくない。
だけどそろそろ、限界かも……。
泣きそうになる気持ちをグッと堪え、あたしはそのあと、先生に手当をしてもらった。
「もう他の生徒はお風呂に入って行ってるみたいだから、あなたも行きなさい。
だけど膝の出血もひどいし、シャワーだけにしときなさいね」
「はい。 ありがとうございました」
お礼を言って、あたしはその場をあとにした。


