だが、この通り膝は血まみれ。
足首もひねってしまったみたいで、ズキズキとした痛みが襲ってくる。
だけどあたしは、胸の方が痛かった。
だって、さっきの登山のときも……。
『桐谷くん!』
桐谷くんを見かけたあたしは、反射神経みたく咄嗟に彼に声をかけた。
『……何?』
振り返った桐谷くんは、めんどくさそうにあたしを見る。
それだけのことが、どうしようもなく辛かった。
『よかったら隣歩いてもいいですか?
あ、半径5メートルは離れるから!』
『イヤだ』
『じゃあ……』
『毎日毎日、あんたなんなの?
ひとりになりたいからほっといて』
……冷たくされるの、慣れてたはずなのに。
胸にガラスの破片が突き刺さったみたいに、痛かった。


