どれくらい時間が経っただろう?
無言のままこの状態でいるのが恥ずかしくて耐えきれなくなったあたしは、桐谷くんの腕の中で口を開いた。
「き、桐谷くん……あたしの頭重くないですか……?」
「重くない」
「う、ウザくないですか」
「別に」
「お、重くないですか」
ボキャブラリーが少ないため、同じ質問しかできなかった。
すると、
「やっぱ重いしウザいわ」
「!?」
グサッとトゲトゲしい言葉が言い放たれ、ショックのあまり、桐谷くんの腕の中で震えてしまう。
「ご、ごめんなさい……!すぐどけま……っ」
だけど、
桐谷くんの胸を手のひらで押して離れようと試みたのに、それは容易には許されなかった。
手繰り寄せられ、抱きすくめられる。
「なんで離れようとするんだよ。
怖いんなら俺に寄りかかっていればいいだろ。そんなのもわかんないの?」
「えっ。だって桐谷くん、ウザいって……」
腕の中で言い訳すると、桐谷くんはふぅっとため息をつく。
「いいよ別に。今は我慢する。カミナリでワーワー騒がれても迷惑だし」
とても優しい声で。


