「あんたの体、あったかいね」
「えっ?」
「ちょうどいい抱き枕みたい」
不意打ちの甘いセリフに、ドキリと心臓が高鳴る。
たぶん、体が熱いのは桐谷くんのせいなんですが……。
そんなこと言えるはずもなく、あたしは恥ずかしさのあまり、桐谷くんの服の裾をギュッと掴んだ。
すると頭の上で桐谷くんが、ふっと笑った気配がした。
……暗くて、狭くて、寒いのに。
桐谷くんがこうやってくれてるだけで、怖いはずの空間がこれ程までに心地よいものに変わるなんて。
桐谷くんのおかげで、カミナリの音も聞こえてこない。
……彼の手はまるで魔法だ。
あたしをドキドキさせる一方で、こんなにも安堵をもたらしてくれる。


