ドキドキと鳴る胸を押さえて、雑誌を取ろうと屈んだ時。今度こそ高宮さんの声がはっきり聞こえた。
「そこで何をしてる?」
「!!」
慌てるあまりに手にした雑誌までバサバサと床に落とし、わたわたと拾い集める。
「ご、ごめんなさい! 起こしに来たんだけど……散らかってたから片付けようと」
「ふうん」
何の興味もなさそうに返事をした高宮さんを見た瞬間、危うく私は失神するかと思った。
「た、た、た……高宮さん! は、は……裸で寝ないでください! 風邪をひきます」
高宮さんはベッドから上半身を起こしていたんだけど、辛うじて毛布が絡まってる下半身以外は全て肌が見えてますって!
暑がりだからとは聞いていたけど、案の定布団は明後日の方向に飛ばされてるし。
28年生きてきても恋愛の一つもしたことがない、アラサー女には刺激が強すぎます!



