身代わり王子にご用心







『カイ! ちょっとフリッツを見てて』


私がそう叫ぶと、カイは直ぐ様やって来て息子を抱き上げてくれた。


『フリッツ、お母様は今大事な時期なんだから、あんまり困らせちゃ駄目だぞ?』

『お母様を困らせてるのはお父様じゃないか!』


6つになる長男はまだ一次反抗期が抜けないのか、ふくれて父親をにらみつける。


父親似のシルバーブロンドだけど、瞳の色は祖母に似たブルー。カイのミニチュアと言われるほど外見はそっくりなのに、利かん坊に育ったんだよね。


そんな息子を見たカイは『あなたにそっくりな気性だ』といつも笑う。私はそんなに頑固ではないつもりですが。


『嘘つき、と私が呼んだのはあなたが自分の気持ちに素直になってくれなかったから』


そう囁いたカイは、子ども達の目を盗んでちゃっかりキスをした。


『あ~お母様、ラブラブだ~』


のんびりと喋るのは長女のシャルロッテ。フリッツと同い年の6歳。姉にピコピコついて回るのが次女で3つになるアマーリエ。


『仕方ないよ、父様は呆れるくらい母様を溺愛してるから』


メガネをクイッとあげながらタブレットを操るのが、次男のアロイス。三つ子のうちの末っ子。


『……で。お腹にいるのがまた双子って。どれだけ絶倫なのよ』


呆れた顔をしたのが、近くでお茶をした富士美さん。彼女のそばにあるベビー用の椅子では、もうすぐ一歳になる双子のアルマとフランツが眠ってた。


それを言われたら身も蓋もないんですが……。