「桃花……」
カイ王子は私を見たまま、優しく微笑んだ。
「2年前の私と、気持ちは変わらない。私はずっとあなたが好きだ。今までも――そして、これからも」
「……っ」
これ以上、幸せなことがこの世界にあるだろうか、と思えるほどの幸福感に包まれる。身体はカイ王子に息苦しいほど抱き締められた。
私が託されたカイ王子の指輪は、改めて彼の手で私の左手薬指に輝く。
「おまえの紋章を作らなければいけないな」
なんて微笑まれて。死ぬほどのドキドキで心臓が壊れそうだった。
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