上映会は大成功で、玩具も売り切れて問い合わせ多数。予約も続出という嬉しい悲鳴が上がってた。
最終上映会は午後7時。それまでには仕事が終わるから、私も観る予定になってる。
最終回には朱里ちゃんやマリアさんも来る。
そして……。
ペアチケットで一人で観るのはもったいないから、同じ時間に仕事を上がった坂上さんを誘ってある。
「アニメ映画なんて子どもが小さな頃以来だわ」
そう言いながらも、彼女も何だか楽しそうに見えた。
「あ、来たわね。朱里ちゃんと……マリアさんだっけ?」
「はい。朱里ちゃんがずいぶんとなついてくれてるんです」
ブランドものの子ども服を着て、ふっくらした頬の子どもらしい姿を見たら、誰が不幸だと思うだろう。 しかも信頼し安心しきった笑顔。
マリアさんのもとにいることで、どれだけ本来の子どもらしさを取り戻したかが一目瞭然だった。
「……あれだけ幸せそうなら、朱里ちゃんにとって、マリアさんのところにいるのが一番なのは否定出来ないねえ。
両親は離婚した上に父は行方不明で母親は犯罪者でしょう。
本来なら施設行きだけど、ああして慈しんでくれる人がいるなら。そこにいた方が幸せなのかもしれないね」
もちろん、施設を否定はしないけどね。と付け加える。
この数日で朱里ちゃんの両親は正式に離婚し、坂上さんの言う通りに父親は行方不明。母親の大谷さんは罪を全面的に認め、懲役刑になりそうだと聞いてる。
大谷さんが引き起こした波紋は、あまりに大きすぎた。
どうか罪を償って、悔い改めて生きていって欲しい……とそう願った。



