お昼ご飯を食べてしばらく散策した後、2時過ぎに桂木さんは再び用事があると外れた。
ずいぶん忙しいんだなあ……と思うけど。藤沢さんが強引に着いていったから、怪しい行動には出られないだろう。
午後には唯一いるアフリカゾウに滑車を使って餌やりをし、朱里ちゃんは大興奮。他にもラクダや馬やニホンシカやレッサーパンダEtc.を見ていると、あっという間に時間が過ぎていく。
やがて、閉園になる5時にもなると。はしゃぎ疲れたらしい朱里ちゃんは、高宮さんにおぶわれたまますうすうと寝息を立てている。
その安心しきった姿を見ていると、血が繋がってないのにマリアさんと高宮さんのもとにいた方が彼女も幸せなんじゃないか。そう思えて仕方ない。
「……もしも母親がジュリアを放り出すなら、わたくし達がジュリアを育てようかしらね」
マリアさんがポツリと出した呟きは、冗談のようでそうじゃない。朱里ちゃんを心底案じるからこそ出る言葉だった。
「マリアさん……」
「ジュリアとはまだ1週間しか一緒に暮らしてないけど、とってもいい子よ。母親はなぜこんな可愛らしい子を疎んじたのかしら。わたくしだったら、精一杯愛するわ」
……母親だけじゃない。父親にだって言えること。なぜ? と。
今さら亡くなった人には訊けないけど、私の両親……お母さんとお父さんはどうだったんだろう? 私を幸せにと願ってくれたんだろうか?



