「おい、もう出来上がってんのかよ。おまえ、何を飲ませた?」
久々に高宮さんを見た気がして、私は片手を挙げてヒラヒラ振った。
「よ~高宮はん、楽しいろ! 美味ひいご飯、あひがとへ」
私がお礼を言ってるのに、高宮さんは嫌そうにしかめっ面になった。何でだろう?
「ろれつが回ってないって……完璧に酔っ払いが二匹出来上がってるじゃないか」
「そんなに飲ませてはないんだけどね」
桂木さんは涼しい顔をして違うワインを楽しんでる。高宮さんは慣れたものか「シェリーなんてアルコールが高すぎだろ」と呟くにとどめた。
「ほら、酔っ払い。これを食ってアルコールを薄めとけ」
「ん~?」
高宮さんが銀のトレーに載せてきたのは、白い生地に色んなフルーツが載った何か。
持たされたフォークで口に入れてみれば、甘酸っぱい中にコクがあり爽やかな香りが広がって。とっても美味しかった。



