「店長と本部には知らせましょう。ただし、病気のことは伏せてください。私が休んでから出た社報で知られれば、被害者が私と特定されてしまいますから」
「なるほど、確かに。では、僕は明日にでも本部に知らせてきましょう」
「警察へは……高宮さんが望んだら行きます」
警察沙汰にしたくないのは、面倒とか睨まれたくないと言うより。高宮さんが何も言わないからだ。彼が怒っていれば、被害届を出すのも構わないのだけど。
「わかりました。それでは必要になったら、ということでこのお話はおしまいにしましょう」
やっと桂木さんの手が引いて安堵すると、彼はにっこり笑顔でとんでもないことをのたまいました。
「やはり、あなたは優しい人ですね。そんな方には良く似合う色や形があるでしょうから、僕にお任せください」



