「ありがとう」 「あのね、泣きたい時は思いっきり泣くんだよ」 「…はい」 私は起き上がり上履きを探した でも上履きなんて、ある訳もない。 “そっか連れてきてもらったんだよね" 私は、つま先を見つめ立ち尽くし 大粒の涙を流し その場に崩れ落ちた。 背中に温もりを感じた 優しい温もりを… 私を抱きしめる手は 私の凍った心を 溶かしてくれたような気がした。 「うわぁーん」 5歳の子供に戻ったように 泣いて泣いて、泣きじゃくった。