二人目、新選組二番隊組長 永倉新八


「春?春ねぇ……あいつのことは俺もよく分からねぇんだよ。何考えてるか分かんないしな。ただ、言えることは春は土方さんにしか扱えない猛獣だってことだな」


三人目、新選組一番隊組長  沖田総司


「春くん?なんで君がそんなこと知りたがるの。………仕方ないなぁ。じゃぁちょっとだけだよ。……春くんはとっても強いよ。ここで一番人を殺してるのは春くんじゃないかなぁ?」


四人目、新選組鬼の副長 ゲス方歳三


「……あ?春?…てめぇに教えることなんざねぇよ。春はあのまんまだ」


五人目、新選組観察方 山崎丞


「春?春なぁ…。凄い努力家やで。だから副長にあんな信頼されとるんや」


今日、会った人で聞き出せたのはこれだけ。


いやぁ……合間に雑談するんじゃなかった。特に土方と(で)遊んでると楽しくて楽しくて………。


まぁ、それはさておき、今回の『幕末っ☆新選組突撃インタビュー』で得られたハル君像をまとめておこう。


1、実は平隊士からの昇格(土方の小姓だから降格か?)

2、思っていた以上に無愛想で無表情

3、あの日見た笑顔は完全な『偽物』である

4、めちゃくちゃ強い

5、ものすごい努力家

6、土方とは主従関係以上に信頼しあってる

7、結局、謎ばかり


…………ってところだな。


今日、一日ハル君のことについて聞きまわってたけど、心のどこかに違和感を感じた。


それは、とても小さなもので、気のせいではないかと思ってしまうもの。


ハル君…いや、ハル。……あんたは一体何を隠しているの…?


あの絶対的な闇をもつ瞳。何かはわからないが、私よりもずっと暗いものを秘めている。


きっと、それは永遠に癒えないもので、足をひっぱるもの。


『偽物』の笑顔はあんなに綺麗だったのに、『本物』の笑顔はないなんて悲しすぎる。


私が、その暗闇に少しでも光をあてるような存在になりたい。


私が綾希や沙羅、愛衣に助けられたように、ハルを救ってあげたい。


いつの間にか雨が降り出していた。


それはひどい降りようで、雲で昼間なのに暗く、少し先が見えなくなるほど。まるで私の思いを拒むかのようだった。


ハル。私はあんたから逃げないよ。


だから、あんたも私から逃げないで。