音のするほうへ、人工の臭いがするほうへと足を進めていたら、どうやらたどり着いたようだ。


人の笑い声、物を売る声、話す声がたくさん聞こえてくる。


あと、食べ物の臭いも。


私は、普通の人のように歩いてみた。


中々人にぶつからない。私が避けているのもあるのだろうけど。


少し前の方が騒がしい。何かあるようだ。


「やめてっ!!嫌や言うとるでしょ!?」


女性の嫌がる声が聞こえた。


試しに、その方角へと向かってみる。


そこには、コソコソと同情しかしない野次馬と、先程声をあげた女性。


「んだぁ!?この俺様の言うことがきけねぇってのか?俺を誰だと思ってる!!お侍様だ、ゴラァ!!」


あと、品のないお侍さんがいるようだ。