ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

架月、のワードに慌てて黎の口を手で塞いだけど間に合わず、興味津々の顔で里苑さんが身を乗り出して来た。





うっわーこれは質問攻め覚悟だな。





黎を睨み付けるとハテナを浮かべて俺を見ていた。


自分がやったことに気づいてねぇ!





こいつ架月が里苑さんにとられてもいいのかよ。





里「なぁなぁ、さくらちゃんってどんな子?」




「...さくらちゃん?」




黎「架月のこと」




里「うん。親近感湧くかなと思って」





多分架月にはそういうの関係なく仲良くなるだろうけど。





...なんて、“さくらちゃん”と呼ぶ時に楽しそうな表情を浮かべる里苑さんにそんなこと言える訳もなく。


取り敢えず適当に相槌を打っておいた。





里「さくらちゃんってさ、暴力的なの?」




黎「多分俺にだけッスよ」




「何?黎暴力ふられたの?」





そう言うと何故か睨まれた。



...?俺、なんかしたっけ。





黎「ふーんだ」




「? まあ架月はそんな子じゃないッス」




里「へ~ぇ。昨日チラッと見たけどさ、可愛い、よな?」




黎「それはもうめっっちゃ」




「あれは神様からの贈り物だ」




里「それやべぇじゃん!」





話しているうちにどんどん饒舌になっていった俺たちは里苑さんにうまくはめられ 、結局架月について多くを語ってしまった。





里「そっかそっか~ますます逢ってみたくなっちゃった♪」




黎沙「...(やってしまった)」




里「俺の友達紹介する代わりに、さくらちゃんのこと紹介しろよ?」





有無を言わせない綺麗な微笑みに何も言い返せなくなった俺と黎は大人しく「はい」と返事をした。





架月が...架月が離れていってしまう~~~!!!