重そうな焦げ茶色の扉を体当たりするように開けた。


その先には、





「...」





すやすや眠るイケメン2人。





...。



頭を掻いて取り敢えず周りを見る。





んー...


迷った末最初に黎に声をかけてみることにした。





「黎さー...ん」





頬を軽く何回か叩くけど、熟睡のようで全然起きない。





「うーんどうしよう。黎って一回寝たらなかなか起きねぇんだよな。でも聞きたいことたくさんあるしな~。しょうがないか、殴ってればそのうち起きるよな」



里「随分物騒なんだな、お前って」





唐突に声がして恥ずかしいくらい震え上がってしまった。





笑い声が聞こえる後ろを顔だけで振り返ると、まだ寝起きで目が半開きの里苑さんが...





細められた瞳の色っぽさに息を呑み込むと、黎に向き直ってみぞおちを殴った。





黎「ぐぇぇえ!!な、誰だよ!」




「くそ、くそぉぉお!イケメンのうえに神だなんて、罪作り過ぎる...っ!」




黎「とうとう頭イカれたか」




里「神って俺のこと?」




「えぇそうですよ!」




里「なんでだよ笑 俺が神になる要因なんてなんもねぇよ」





頭の下に腕を置いて空を見上げる里苑さんはおかしそうに笑う。





何も分かっていない里苑さんに、3年の教室で聞いた話をした。


とっくにチャイムは鳴っていたけどそんなことは気にしない。





屋上には里苑さんしか入れないと言っていたと言うと、本人は「ぶ...っ」と噴き出して腹を抱えて笑い転げていた。





そんな里苑さんとは対照的に黎は真剣に驚いている。





だよな、普通信じるよな。だって里苑さんだもん。


なのにこの人は!なんで呑気に笑ってんだ!