あーそーっスか。フォロワー増えましたか。良かったですね。


なんて言えるほど心広くないんで!!





「あの動画のせいでどんだけ笑われたと思ってんスか!」



郁「沙絃たちがあんなことしてるからでしょ」





そんなこと言われちゃったら何も言い返せない。





でも俺が郁翔さんでも多分動画撮ってる。



だから今回は許す!





「で、郁翔さん」




郁「何?」




「里苑さんって知ってます?」




郁「里苑?...あぁ、知ってる知ってる。女子がいつも騒いでるやつな」





なにその羨ましいやつ。



あのルックスなら必然的なんでしょうけど!





郁「変なオーラ出てるけど」




「あ、気にしないでください。んで、どこに居るかとか知りません?」




郁「あー、ちょっと待ってな」





そう言うと郁翔さんは後ろにいる女子たちに向けて、





郁「なー皆ー里苑がどこにいるか知らねー?」





と問うた。


え?里苑さんの居場所って女子に聞くとわかるもんなの?





女全「屋上ー」



郁「だって」





ドヤ顔で笑った郁翔さん。





ここまでくると里苑さん神レベルだな。とても敵わねぇや。


つか最初から里苑さんをライバルだと思うなんて命知らず過ぎた、ごめんなさい。





女1「男なら多分入れてくれるよー」



「? どーゆことっスか」





俺を見ながらそう言ったメイクの派手な先輩に聞き返す。





女1「屋上は里苑以外は入れないってルールなの。女なんて論外」





ほぇーそんなルールあったんだ。



マジで里苑さん神だ。





「とうとう神が降臨した...っ」



郁「大丈夫かお前」





ヨロヨロと後退りした俺はぺこりと一礼すると屋上に続く階段に向かいダッシュ。