ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

何にそんなに固まってんだ?



まだ一昨日のテンションが残ってんのか?





コンクリートの擦れる音にハッとすると、沙絃が俯き気味に早足で俺に近づいてきていた。



なんか怖い怖い...!





俺の肩をぐっと掴むと、里苑さんから少し離れた場所に連れていって顔を寄せた。


うーん、マジイケメン。どういう顔の配置だとカッコよく見えるんだ?





沙「ちょ...あれって白嵜里苑さんだよな」




「なんで知ってんだよ」




沙「知ってるよ!他校でも有名だぞ白嵜さん」





そりぁあのルックスだからな。



部活で試合とかやったら瞬く間に有名になるだろうな。ほとんど試合なんて行ってないだろうけど。





「里苑さんは部活の先輩でなんか絡まれてんだよ」




沙「羨ましいわそれ」




「そうか?」





チラリと里苑さんを見ると口笛を吹きながらクルクル回っていた。


おバカにみえなくもないけど昨日の俺のスキップに比べたら可愛い方だ。





てか回った時に生じる風で髪が乱れてカッコよさに磨きがかかってる...!


やめて!もう回んないで!横に並ぶ俺が惨めになる!





「今日さ、里苑さんにさくらちゃ...架月紹介することになってんだよ」




沙「(さくら...?)なんだと?」




「なんかまずいことでも?」




沙「架月がとられる可能性がなくもない」




「別にいいじゃんか。タイプじゃなかったんだろ?」




沙「そういう問題じゃないだろーが!このバカ!」





思いっきりチョップされ頭を押さえる。





え?だってタイプじゃない子がとられたところで特にダメージないじゃんか。





沙「架月は俺たちの紅一点だろーが。それが里苑さんに持ってかれたら...!」





やや目を充血させながら頭を抱えてうおぉーと叫ぶ沙絃。


ちょいちょい精神イカれてんじゃないかと思うんだけど。





「...里苑さんが架月と付き合っても俺たちとの関係も大切にしてくれると思うけど」




沙「そういう問題じゃないと言って、...」




里「おーい何話してんのー?」





自分だけ仲間外れとでも思ってるのか、唇を尖らせて俺たちに歩み寄ってくる里苑さん。