「そういえば里苑さん」
里「何?クレイジーボーイ」
「...なんスかその呼び方」
里「今日のお前にピッタリだろ?笑」
うん、まあ...間違ってないけど。
その呼び方聞いた人の俺に抱く第一印象確実に悪いでしょ。
でも里苑さんにつけてもらったニックネームなんだから大切にしよう(嘘かも)。
「...郁翔さんと穂陽さんって知ってます?」
里「郁翔と穂陽?まあまあ仲良いよ」
「ふーん」
流石里苑さん。人脈広い。郁翔さんもか。
里「なんだよ」
「なんでもないっスよ」
里「そう。じゃ、俺こっちだから」
「また明日っス!」
少し微笑んだ里苑さんは俺とは違う方向に歩いていった。
背中から出るオーラが半端ねぇ。
何あれ芸能人?芸能人以上だろあの雰囲気。
「里苑さんが芸能界行ったらすげぇ人気になんだろうな~」
1人でぼやきながら歩いていたら、近所の奥様に遭遇。
俺の顔をみるとたちまち怪訝そうな表情を浮かべる。
はいはい分かってますよ。どうせ腫れてる頬みてんだろ?
見るな!こんな無様な俺を見るな!
なんなんだよーもー...架月だからまあいっかてなるけどさぁ。
奥「あらあら黎くん、大丈夫?」
「全然!全然ノープロブレムなんですけどぉー!?」
奥「そ、そう?」
「ご心配あざーーーっス!」
ペコリと上半身を45度に曲げたまま奥様の横を通り、カニ歩きで家まで直行。
玄関のドアを勢いよく閉めホッと息をつく。
姉「うるさいわねー静かにしてよね」
リビングから出てきた姉、汐莉(しおり)。
大学3年になり単位もとれてきたせいか、最近は遊んでばっかな不良。
髪なんて自分では茶髪ってるけど、あれどう見ても金髪だろ。
光うけてキラキラ光ってますよ。
