ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

制服に着替えて里苑さんと帰り道をトボトボ。





なんかずっと気まずそうだしさ。



だから俺架月にフラれた訳じゃないって。





夕陽をバックに両手をポケットに手を突っ込んでスクールバッグをリュックのように背負う里苑さんは圧巻の色気を放っていた。





一体どんな両親の間に生まれたらこんな子供が出来るんだ。教えて欲しいよ。





「里苑さん、確認しときますけど俺架月の彼氏じゃないですからね」


里「うん、分かってるよ」





横からの夕陽が眩しいのか少し目を細めながら俺の言葉に頷く里苑さんに深呼吸をする。





「え?信じてくれてたんスか?」




里「当たり前。学校にいたときは場の雰囲気に合わせてただけ」




「いやそこは合わせなくていいですから」





あの皆からの同情の眼差しな。とても耐えきれねぇよ。二度とあんな恥ずかしい思いしたくないね。





昨日といい今日といい、めちゃくちゃだ。



もちのろん架月のせいで。架月のせいで(大切だから二回言っとく)。





「つーか架月とカレカノ関係とか俺無理ですって。友達でもキツイんスから」





ため息をついて足元に転がってる大きめの石を蹴ろうと足を振ったけど見事に空振り。



思い切り振ったせいか足の骨がおかしなことになってた気がする。痛い。





俺サッカーのセンス皆無だな!



ハルに教わるしかねぇなこれ!





「えぇいくそぅ!!」





やけくそになって石ころを拾い上げた俺は遥か彼方にぶん投げた。





「はははーっざまあみやがれ!」




里「荒れてるな~」




「今日の睡眠時間4時間弱っスから」




里「おぉーよく頑張ったよ」




「今なら3秒で寝れる」





欠伸をひとつして滲んできた涙を指で拭った。



あーぁ瞼おっも。今日1日長かったなー。