ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

一気に話した架月はゼーゼーと荒い呼吸を繰り返して最後に深呼吸をした。





俺に怒りをぶつけてスッキリしたようだ。



やけに清々しい顔してやがる。





架「あ、最後に黎」



「ん?...は?ちょ...!!」





溜めを作った架月は至って真剣な顔つきで腕を振り、俺の頬目掛けて拳を振ってきた。





あまりにも速い動き、無駄のない動作。



この子意外と運動センスあるんじゃ、と思った瞬間。





「ぐはあぁ!!!」





反動で顔が横を向き、体がよろめいて壁に肩を思い切りぶつけた。





っいてー...顔も肩もいてぇけどまず何で殴られたのかがわかんねぇ。





頬を押さえながら架月を振り返ると。





架「は~スッキリスッキリ!ありがとね黎!」





眩しい笑顔で手を振ってさっさと帰っていった。





呆然と立ち尽くす俺は、後ろ姿が見えなくなるまで目をぱちくりさせていた。





は?え...?



ちょ、っと何が起こったのか...





暫く時間がたってわかったことがひとつ。



一緒に帰ろうって言ったのは俺に怒りをぶつける為だったということ。





思わぬところで爆発したおかげで俺は公の場で殴られるはめになった訳だけど...





男7「...ドンマイ、黎」




男8「落ち込むなって」




男9「今度女紹介するから」





どーしよ。ここにいる人たちに俺が架月にフラれたみたいに思われてるよ。





言い訳する気も起こらずただ訳の分からない状況にフラフラと里苑さんのところに戻る。





里「...まあでも、お前にあんな可愛い彼女が出来ただけでも良かったんじゃね?」





気まずそうに横目で俺を見た里苑さんは、真っ赤に腫れ上がっている頬を苦痛の表情なのか笑いを堪えてる表情か分からない顔で見た。





...俺悪いことした訳でもないのに、なんでこんな惨めな気持ちにならないといけないんだ...





「つか里苑さん...」




里「ん?」




「あの子俺の彼女じゃないっス」




里「...強がんなって」




「...」




里「...帰るか」




「はい」