ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

黎と夏閃の騒ぐ声が下から聞こえてくる。





悠はどこへ行っただろう。



もしこの場面をみたら何を思うだろうか。





遠慮気味に空いている手で架月ちゃんの頬に触れた。





柔らかくて火照っている透き通るような白い肌。



ぐっと胸を鷲掴みにされたように痛くなった。同時に愛しく思った。





架月ちゃんを初めて女としてみた瞬間。



誰かをこんなに自分だけのものにしたいと思ったのも初めてだった。





これが恋っていうのか...？





得たいの知れないこの感情は、



ついさっき沙絃たちと話してた恋なのか。





出逢って間もない彼女に抱く感情の名前はまだ知らなくていい。





知ってしまったら今のようなごちゃごちゃした面倒でもあり楽しい時間が、


一瞬にして崩れ去っていくのが目に見えている。





目を瞑って深呼吸をひとつ静かにした俺は、



架月ちゃんからゆっくりと離れていった。





気持ちを落ち着けるように再び目を瞑る。





目を開けた次の瞬間にはさっきの感情は忘れる。


架月ちゃんとはいい友達という関係で今はいたい。





「起きろーっ架月ちゃん！」





全ての思いを取り払うように大声で叫ぶと、



ビクッと体を震わせた架月ちゃんは勢いよく上半身を起こした。