悠「じゃ、分かれて捜そうか」
夏「はぁーい。いひひ」
「ちょ...っこの子1人にすると不安だから黎ついてってあげて」
普段聞けない夏閃の妙な笑いを聞いた瞬間感じたことのない不安に駆られた。
昼の沙絃の次に怖いぞ。
夏閃って腹空きすぎるとこうなんの?
迂闊に空腹にさせていられないな。
つか夏閃みたいな人初めてみたわ。
何この特殊な人間。
悠「ソラは俺と一緒に2階捜そう」
「オッケー」
階段を上がっていき、
数少ない部屋をひとつひとつ確認していく。
たく...悠の母親には何も文句言えねぇけど、
沙絃はどうなってんだ。
2人を捜しに行った架月ちゃんを俺らが捜す羽目になったし。
今日はある意味での記念日だな。
「あ、ここ悠の部屋か」
明らかに悠が好んでつけたとは思えない名前入りのプレートが掲げられた部屋。
ちょっとだけ罪悪感を感じるけど、
今まで遠慮なく扉開けてたから今さらそんなの関係ないか。
ここがイケメンの寝るところなのかー、とちょっと変態じみたことを思いながら、
そーっと扉を開けて様子をうかがう。
あ、人の気配がする。
とまあなんとなく格好いいことを言っておいて、一歩足を踏み出す。
でも、架月ちゃんならわかる気がする
ここにいるということが。
「...やっぱりいた」
彼女は寝息を微かにたてながら悠のベッドの上で無防備な顔をして眠っていた。
