ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

野球やサッカーの応援さながらの叫び声に驚くと同時に、


今この家はどういう状況下なのか疑問に思える。





取り敢えず4人でやったあの賭けは全員外れたということだ。


いやいや、残念なんて思ってませんよ。断じて。





答えを求めて悠の顔をじっと見つめると、



苦笑いを浮かべてリビングに続く扉に手をかけた。





少し開けて隙間から様子を伺うとそこには、



コントローラーを持った架月ちゃんと悠の母親がいた。





テレビに食い付く勢いの2人はきゃーきゃー叫びながら必死にコントローラーを操っている。





なんとなく何が起こってるか理解できたけど、



あの中に1人でいた悠を思うとゾッとした。





夏「...これは...」




黎「思ってたのと違う...」




沙「大変だったな、ハル」





悠に労いの言葉を贈った沙絃はぽん、と肩に手をおいた。




力のない笑みで悠は応え、



リビングの扉を一気に開いた。





それに気づいた架月ちゃんと悠の母親がこちらに顔を向けた。





会釈をする俺らの顔を1人1人眺めた母親は、



花が咲いたように笑い、コントローラーを投げ出して駆け寄ってきた。





そして、





母「さ、い、とくーん!」



沙「へ...!?」





沙絃に抱きついた悠の母親は、沙絃の胸に頬をすり寄せて嬉しそうにしていた。



そういえば沙絃気に入られてたな...





頑張れ、と心のなかで呟いて、



架月ちゃんの隣に腰をおろした。





架「へへへ」




「...何?」




架「また皆に会えて嬉しくって!」





頬をピンクに染めた架月ちゃんは可愛い笑顔で言った。





これはさすがに...





「...っ」




黎「あーもー!可愛すぎる!」




夏「ぎゅーってしていい?」




架「?いいよ」





首を傾げながら架月ちゃんは両手を広げて夏閃を迎える準備をする。