ポジティブGIRLと愉快なBOYたち

マジでこいつうるせぇ。



耳元でぎゃーぎゃー騒ぐな。鼓膜がいかれる。





とりあえず黎と夏閃に沙絃を羽交い締めにさせて、


架月ちゃんに「もしもし」と話しかける。





架「...」



「?架月ちゃん?」





反応がないのでもう一度呼び掛けると、



電話の向こうから微かに寝息が聞こえてきた。





...おい。この短時間の間に寝れるってさ。



一体君はどういう性格してる訳よ。





「おーい!」




架「は!何々!?火事!?」




「火事だったら架月ちゃん残して逃げてます」




架「冷静な口調でなんてこと言うんだい。冗談ですよーだ」




「ねぇ、ところで悠は?」





本題に戻すと架月ちゃんは「えぇっとねー」と言葉を濁したあと、暫く無言になった。





...え?もしかしてまた寝てるとか?



と疑った俺は寝息が聞こえるか耳を澄ました。





なんか電話の向こうが騒がしいような...





架「もっしぃー?空祈?」




「はいはい」




架「実はですね、ハルちゃんに家まで送ってもらったんですけどね、今日親が明日まで帰ってこないこと忘れて鍵を忘れたんですね」





テヘペロ!とおどけて言った架月ちゃん。





うん、だいたい何が起こってるか理解出来てきた。





つまりは架月ちゃんがまたバカをやったということだ。



そしてそれに悠が単独で巻き込まれたという悲劇が起こってる訳だ。