「―まともな恋がしてぇなぁ...」
ボソッと小さく呟いた声は静かな周りの空気にあっさりと浸透して、
沙絃や黎や夏閃の耳にも届いていたようで。
固まって俺を見る3人の目を見返しているとハッとしたような表情になり、そして。
黎「いやーとうとうソラも恋がしたくなりましたかー」
夏「やっとですね、やっと」
沙「ずーっとそういうのは控えてたもんな、ソラ。そろそろあれか?その無駄なほどある色気使うのか?ん?」
酔っぱらったサラリーマンのように早口でまくし捲し立て肩に腕を回してきた沙絃にシワを寄せながらポケットに手を突っ込む。
無駄なほどある色気って...
なんかよくわかんねぇけど沙絃の方が色気があると思う。
まあでも、恋に積極的になるのは悪くないかもしれない。
空をあおぎながら小さく頷く。
「色気がどうとかは知らねぇけど少しくらいはそういうのにも興味もってみてぇなーと思う」
夏「うわ、これ鈍感なやつだ」
黎「イケメンが自分のかっこよさに全くといっていいほど気付いてないのは一番タチが悪いんだよなー」
沙「興味持つのはいいけど彼女つくったらダメだからな、ソラ!」
「なんでだよ」
でも仮に彼女が出来たら僻まれそうだから気を付けよう。
