自分で嘔吐した物を片付けながら
何だか、涙が止まらなかった。

一枚隔てたふすまの向こうに
あの男がいる。
その恐怖で震えが止まらない。


そして、夜中3時過ぎ


「ただいまぁ・・・」


そんな事とは知らぬ母は
小声でそう言いながら


「りーく、ただいま。」


「酒くせ・・・」


「しよっか?」


「はぁ?って
もう脱いでるし・・・」


「はーやくっ!ふふ
あ・・・んっ」



耳を塞ぎ、布団を被り
必死で耐えるしかない状況へとなっている。


もう、私にとって

逃げる道はないのかもしれない。