「んじゃー、俺上がるから
ごゆっくりどうぞ」


「は、はいっ・・どうも・・・」


変な緊張で
挙動不審もいいとこだ。


でも、あれは・・・・

いかんだろ。反則ではないか。


たしかに、そりゃ

男のくせに
綺麗な顔立ちなのは知ってたけど

ヒゲなくなって
髪の色が変わるだけで

緊張で体が固まるような顔になるなんて・・・

これは・・・・


ヒゲをそるべきではない・・・。


そうだ、あの男は・・・総一は
やっぱり分かっていたんだ。

不精ヒゲで
自分の顔を誤魔化せる事を。


女避けだったのかもしれない。


なのに、私は

何て事を言ってしまったのだろう。


ヒゲのない顔を見たいだなんて

自分で自分の首を絞めるようなものじゃないか。


浴槽の中で

一人、考えては潜り、考えては潜りを繰り返している。