ただ、じっと見ている私を

「悩め悩め、ガキは悩んで成長すんだかんな」


少し笑みを浮かべ
長い腕が、私の前に伸び
乱暴に頭を撫でられている。


な、なに・・・!?
ヤバい。


し、心臓が・・・

男の表情が・・笑顔が
大きな手が

私の心臓を
一気に大きく跳ね上がらせた。


何だ、これ・・・

いくら弱ってるからって
さすがに
ホームレスの
この男に惚れるはずが・・・・



「ったく、人生終わったみてぇな顔しやがって」


呆れたような声でそう呟くと
私の鼻をつまみ


「クソガキが」


気遣いの欠片すらない
そんな言葉を
笑いながらぶつけられている。


クソガキって・・・・


普通に失礼な言葉だし・・・


だけど、だけど・・



私は、この瞬間

この男に完全に心を奪われてしまっている。


自分でも自分が理解不可能だ。