「おー、すっげぇ・・
まひろって
元ヤンか?」


「そ、総ちゃん!?
何で・・・!?」


さっき出て行ったはずの総一が
半分開いたままの扉前で
驚いたように笑っている。


「忘れものー
真弓、そこの携帯取って」


「携帯・・・?」


指差す方向に目をやると
布団の上に放置されたままの携帯が視線の先にあった。


そのまま総一に手渡すと


「女って怖いなー
悪かったな、真弓」


そう言いながら
少し考え込むように私の顔を見ると


「真弓も行くか?
まひろと2人にしたら
そのテクニシャンの男とやらに
手解きうけるみてぇだしな?」


「ちがっ、違うってば総ちゃんっ!」


焦るように
話を聞いてもらおうと総一の前に近づくけれど


「また、近々
顔出すって親父に言っといて。
あー、あと
鍵して帰れよ。
真弓、さっさと着替えてこい」


「え、あ・・は、はいっ」

慌てて隣の部屋へ行き
近くにあったスカートを着、廊下に出た。


「総ちゃんってば!!」


怒るように、足を大きく床に鳴らしているまひろさんを


「やっぱ、あいつ元ヤンだな」


笑いながら無視するように
車に乗り込んだ。