映画館のあるアーケード近くに車を停め

「手繋ご?」


と、いつものように
手を差し出しているリオンくんの手を握り
歩き始めているけれど


「どこ行くの?」


「んー・・・どこ行こっか?
何か買い物とかあった?」


「特には・・・・」


「じゃあ・・・・」


「じゃあ?」


「カーテンでも買いに行こっか?」


「カーテン?」


「うん、真弓ちゃんの好みに変えていいよ」


「でも・・・・」


いつまでも、リオンくんと一緒に暮らすわけにはいかないわけで・・・


「出て行くからとか言わないでよ?」


私の言おうとする事が
何でこうもリオンくんは分かってしまうんだろう。


「・・・・・・・」


思わず黙り込んでしまう私に


「さ、行こ行こ」


そう言いながら手を強く握り
引っ張るように突き進んだ。