「そんな俺の事嫌だった?」


「ち・・・」


否定しようと
顔を上げ
言葉を発せようとするけれど
続けて、総一が話し続けた。


「それとも、その逆で
そんな俺の事好きなの?」



否定も肯定もできない。


そう、何も返せない。


返したらいけない。



そんな私に


「ビーンゴか。
俺の事、そんな好き?」



うつむく私の顔を
下から覗き込むように見上げている。


どうすればいいのか分からず
ただ、黙り込むしかできない。



「真弓、ちょい座れ」


大きくため息をつきながら
私の腕を引っ張り
座らせると



「キスしていい?」


息のかかる距離まで近づき
目だけを見つめ
そんな事を聞いてくる。


「じゃあ、嫌なら
突き飛ばせよ?」



そう言いながら
優しく唇を重ねてきた。